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AIで10分後の為替レートを予測する仕組みとは?
USD/JPY予測サービスは、最新の機械学習技術「LightGBM」を活用し、10分後の為替レートを高精度で予測します。ここでは、その予測アルゴリズムの詳細とどのようにして精度を高めているのかをご紹介します。
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データ取得:過去の相場データを分単位で収集
まず、yfinanceライブラリを使用し、USD/JPYの過去7日間分の1分足データを取得します。取得するデータは「始値」「高値」「安値」「終値」「出来高」の5種類。この高頻度データを用いることで、直近の市場変動を正確に捉えられるようにしています。
特徴量生成:テクニカル指標を多数作成
取得した生データだけでは、AIは相場のパターンを十分に学習できません。そこで、本アルゴリズムでは以下のような特徴量(Features)を作成します。
- SMA(単純移動平均):短期・中期トレンドを把握
- RSI(相対力指数):買われ過ぎ・売られ過ぎの判定
- MACD・シグナル・ヒストグラム:トレンド転換の兆候を捉える
- ADX, +DI, -DI:トレンドの強さを数値化
- ROC(変化率):価格の変化スピードを測定
- ボラティリティ:市場の変動幅を計算
- モメンタム:上昇・下降の勢いを数値化
これらの特徴量を組み合わせることで、単純な価格推移だけでは見えない相場の「力学」をモデルが学習できるようにしています。
教師データ作成:方向予測と価格差予測
本モデルは、10分後の為替レートを「方向」と「価格差」の2つの観点で予測します。
- 方向予測(分類モデル):次の10分で価格が上がるか下がるか
- 価格差予測(回帰モデル):どれくらい価格が変動するか(pips単位)
この二段構えの予測により、単なる「上がる/下がる」ではなく、その動きの大きさまで推測可能になります。
モデル構築:LightGBMによる学習
本アルゴリズムの中核はLightGBMという高速かつ高精度な勾配ブースティング木(GBDT)モデルです。特徴量と目的変数を使って学習し、過去の相場パターンから将来の動きを推定します。
さらに、walk-forward検証という手法を採用し、時間軸に沿って学習データと検証データをずらしながら精度を確認します。これにより、過去データで良くても未来では通用しない「過学習」を防ぎます。
最新データによる予測と出力
モデルが完成すると、最新の相場データを取り込み、直近6時間のチャートと10分後の予測値を生成します。結果は画像ファイル(チャート)として保存され、さらにテキストファイルとしても出力されます。
精度向上の工夫
- テクニカル指標の組み合わせによる多角的分析
- 分類モデル+回帰モデルの二段構え
- walk-forward検証による実運用に近い精度評価
- 直近データを重視した再学習による適応性向上
まとめ
本予測アルゴリズムは、「短期為替予測に特化」したAIモデルです。分単位の高頻度データ、豊富なテクニカル指標、LightGBMによる高速学習を組み合わせることで、10分後の為替レートを高精度に予測します。投資判断の補助として、トレード戦略の一部に組み込むことで、より有利なポジション取りが可能になるでしょう。
参考になれば幸いです。